osCommerceのカスタマイズの売り込みをメールで続けていたとき、メール送信先のある会社の社長から返信があった。

「カスタマイズに経費をかけても、売り上げに直結しない」

という趣旨のメールだった。すぐに売り上げに直結しそうなカスタマイズをいくつか考えた。しかし、そのメールにまだ返信できないでいる。このサイトは、他のサイトがうらやむほどの売り上げがあるはずで、小手先の提案など無意味だと思ったからだ。考えているうちに時間が過ぎてしまい、返信のタイミングを失った。

 osCommerceを使ったサイトはたくさんあり、機能はどれも同じ。それなのに、売り上げに差がでてくるのは、機能以外に要因があるから。機能を追加したり修正しただけでは売り上げにつながらない。別の地道な作業が必要だ。実際に、バグをかかえたままのosCommerceで驚くほど売り上げているサイトもあった。売れないサイトは手の入っていない、更新しないサイト。それに人。顧客対応の担当者が変わっただけで売り上げが激減したことがある。写真も大切。魅力的な商材でもその魅力が写真に現れなければ売り上げには結びつかない。

 これまでのカスタマイズ作業で、もっとも効果があったのは管理作業の面だ。売り上げがあればあるほど効率化され、作業時間が短縮されることがある。発送時の伝票の出力を工夫したり、集計資料を出力できるようにするだけでもいい。担当者の作業時間が大幅に短縮される。もし一人ですべての作業を担当しているならサイトの更新に時間を使える。これはosCommerceの管理機能が不足しているためだ。

売り上げをあげるためのカスタマイズで提案できるものは、人を集める工夫と、商品を選ぶ手助けになる情報の提供などがあると思う。

XHTML、スタイルシート化
テンプレートを使用するZencartだと、それほど苦労せずにできる。osCommerceではHTMLタグがプログラムの中にあちこち混じっているので時間がかかる。ただ、この作業により、TABLEタグが一掃され表示が速くなり、SEO的にも非常に有効だった。

同じ商品内容で複数サイトの運営
商品のみすべてのサイトで同期させて、携帯サイトも含めて複数のサイトを運営する。詳しくは知らないが、これらサイト間でリンクすることでSEO的に効果があると人に聞いたことがある。

ブログやSNSとの連携
ブログはMovable Typeやこのサイトで使用しているWordPressに商品の画像と商品説明を流し込んで、買い物時にosCommerceへ移動できるようにする。SNSはOpenPNEを利用して、顧客を会員にしたコミュニティをつくる。他では読めない記事を読めるし、会員同士の交流もありこれから有効だと思われる。

情報の開示
機能ではないけれど情報開示も大切。担当者の写真はサイトを身近に感じる。電話番号やメールアドレスがないものは、購入者からの連絡手段がお問い合わせという機能だけになり不安になる。商品説明や写真も十分に用意したい。不足していれば買う判断ができない。

売り上げアップには地道な努力と創意工夫が必要だと実感する。カスタマイズは、ただ単に行うだけでなく戦略的な考えの上で実施すると非常に効果がある。アクセスログなどを解析して操作手順を変更するなど工夫する余地はまだまだあると思う。